プラごみって何が問題なの!?今さら聞けない、プラスチックのごみ問題について解説

2020年7月の「レジ袋有料化」に続き、2022年4月には特定のプラスチックの排出を抑制する取り組み「プラスチック新法」が施行されました。

近年では、環境問題が話題に出る際には必ずと言ってもいいほど話題になるプラスチックごみ問題。

人口が100億近くに達する2050年には、プラスチックの生産量は約11トンにもなるとも言われています。

しかし、プラごみは、そもそも何が問題なのでしょうか?

プラスチックの歴史

billiard balls on billiard table
ビリヤード玉

安価で入手できて使い勝手がよい、プラスチック製品。

汎用性が高く、現代のものづくりでは必須の素材といっても過言ではありません。そんなプラスチック製品はどのようにして、私たちの生活に欠かせないものになっていったのでしょうか。

プラスチック産業のはじまり

本来、「プラスチック」という言葉は、ギリシャ語の「plastikos」に由来していて、「型に入れて作るもの」という意味になります。

熱や圧をかけて成形できる合成樹脂を「プラスチック」と呼びます。

史上初のプラスチック

「史上初のプラスチック」として誕生したのが、1870年に発明された「セルロイド」です。

セルロイドでできたものとして、ビリヤード玉や人形など広く使われるようになり、合成樹脂産業が始まっていきました。

プラスチックの何が問題なのか!?

今では私たちの生活に欠かせないプラスチックですが、そもそも、なぜ問題視されるようになったのでしょうか。

プラスチックごみの環境への影響

2019年の「オーシャン・アート海中写真コンテスト」の自然保護部門で1位に輝いた、「釣り糸に絡まって死んでいるウミガメ」の写真。
この写真が象徴するように、プラスチック製品は生き物に被害を与えることがあります。

また、プラスチックは自然界の中で、完全に分解されることがありません。ごみとなって半永久的に存在し続けることで、美観を損ねたり環境に悪影響を及ぼしたりします。

原料確保から廃棄までの各段階にも

さらに、プラスチックの原料を確保する時点から廃棄するまでの各段階にも、それぞれに問題点があるのです。

プラスチック原料の採掘

プラスチックの原料の99%以上は、石油やガスといった化石燃料資源を由来とするものです。化石燃料は有限で近い将来に枯渇すると言われていますが、プラスチックを採掘する際の大きな問題点は、他にもあります。

化石燃料を採掘する際に排出される温室効果ガス、窒素酸化物や硫黄酸化物といった大気汚染物質です。これらが大量に排出されることによって、大気を汚すことになるのです。

プラスチック製品の問題点

製造業の中で最も多くのエネルギーを消費している化学産業ですが、そのなかでもプラスチック製造は化学製品の約3分の1を占めていて、温室効果ガスの排出が課題になります。

さらに、プラスチックを製造する際には、170以上の有害物質が水や空気中に大量放出されます。

プラスチック製品廃棄の問題点

プラスチック製品はリサイクルが可能ですが、リサイクルをする際には、プラごみを分別回収することが必要になります。しかし、ペットボトルやアルミ缶などと違い、実施している自治体数も少なくなっています。

さらに、複数の素材が混ざっている製品に使われているプラスチックは、リサイクルも焼却もできずに廃棄されることが多くなっています。そして、埋立地やポイ捨てされたプラスチックが、環境を破壊するという現状になっているのです。

プラごみ問題を解決するためには

プラスチックのリサイクルは、焼却や埋め立てよりも好ましい方法のように思われます。しかし、消費者に不便や努力を強いるような施策では、人々にとって快適な生活を提供できているとは言えません。

環境にとっても人間にとっても最も好ましい解決方法とは、プラごみの排出を抑制することです。そして、その際にはプラスチックの代替になるような、高性能のエコ製品が必要になってくるのです。

まとめ

現代人の生活に欠かせないプラスチック製品ですが、その恩恵を享受し続けることは難しいようです。安全性に疑問があると言われていても、安価で便利なプラスチック製品はコスパも良く、現代人の生活では重視されます。

しかし、そのようなプラスチック製品に疑問をもつ人たちも増えてきています。ずっと変わらない自然素材の製品こそ、いつの時代でも人々から求められるものであるといえるでしょう。

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バガス容器

さとうきびから出来たエコな食品容器。

■参考資料
プラスチック資源循環促進法の概要|環境省
プラスチック資源循環の動向 | 環境省
プラスチックの海(YouTube「国連広報センターチャンネル」)
釣り糸に絡まって死んだウミガメ 写真がコンテストで1位に(YouTube「BBC News Japan」)