原材料や光熱費の高騰により、現在の価格でのメニュー提供が難しくなり、値上げを検討している飲食店も多いことでしょう。
しかし、値上げによって失敗した飲食店も多く、いざ値上げに踏み切ろうと思っても二の足を踏んでしまうもの。
そんな中でも、値上げをしても成功した飲食店は存在し、それらの飲食店には共通する特徴があるのです。
値上げして成功した飲食店とその特徴
値上げして成功した例としては、「CoCo壱番屋」と「マクドナルド」が挙げられます。
そして、そのいずれにも共通する特徴が、「付加価値」になります。
「CoCo壱番屋」(ココイチ)
ココイチは、2019年からの3年で4回も値上げを実施し、現在の客単価は1000円を超えています。
そして、2020年には約515億円だった売上高が、4年後には約551億円になっています。
この成功の大きな要因には、高付加価値化があります。
例えば、期間限定メニューの「スパイスカレー」(1,000円前後)の場合。
普段600円程度の「ポークカレー」を食べている常連は、400円プラスすることで「ちょっとした贅沢」という特別感を味わえます。
いっぽう、普段カレー専門店で1,500円以上もするようなスパイスカレーを食べている人は、
クオリティーの高いカレーをこの価格で食べられることに割安感を感じるのです。
マクドナルド
マクドナルドは、2022年から2024年1月の間に4度の値上げを行っているにも関わらず、2023年の全店売上高と営業利益が過去最高を更新しています。
この成功の要因のひとつには、「エモい」というキーワードがあるとされています。
2023年からのマクドナルドのCMは、「エモい」と度々話題になりました。
これによって、安さ重視のファストフード店から、エモさを感じられる「居場所」へと、イメージが変化したのです。
さらに展開された「平成バーガー」シリーズでは、昭和・令和世代にも「エモい」という付加価値を感じさせることに成功しました。
@mcdonaldsjapan 特別じゃない、しあわせな時間。 #ポテナゲ #夜マックアニメ #赤とんぼ ♬ オリジナル楽曲 – マクドナルド
値上げを上手に行うには?
しかし、付加価値があるからといっても、安易な値上げは顧客からの反感を買う場合もあります。
だからこそ、値上げのタイミングや方法にも気を配る必要があるのです。
世の中の「値上げタイミング」に合わせる
値上げは、できる限り目立たないように実施しましょう。
帝国データバンクの調査が行った調査によると、2022年の7月からの約2年の間では、2、4、10月に多くの値上が行われていることが分かります。
さらに、1日付けで値上げを行う企業が多いことから、上記の月の1日に値上げを行うことで、悪目立ちを避けることができるでしょう。
メニュー別の段階的な値上げを行う
定番メニューや売れ筋メニューを一気に値上げした場合、多くのお客様に悪い印象を与えるリスクがあります。
それを避けるため、新メニューや季節メニューの値上げだけを、先行して行うようにしましょう。
お客様が値上げした価格帯に慣れた頃、定番や売れ筋を含めたメニューの一新を行い、メニュー全体の価格アップを図ります。
料理に付加価値をつける方法とは?
さらに、お客様から納得してもらえる値上げを行うためには、料理に付加価値を付けることが必要になります。
食材に付加価値を加える
産地や品質をアピールすることで、他店との差別化を図り、料理に付加価値をつけます。
例えば、「コロッケ」よりも「北海道美瑛産ポテトのコロッケ」、「野菜サラダ」よりも、「〇〇さんちの有機野菜のサラダ」の方がお客様には魅力的に映ります。
こだわった食材を使ったメニューは、料理の質とともに、お客様の満足度も高めることができます。
サービスの質を上げる
メニューだけではなく、スタッフのサービスにも付加価値がつけられます。
「焼き肉きんぐ」の「焼肉ポリス」や、「ばんどう太郎」の「女将」のように、
店舗でお客様に美味しい料理を提案するスタッフによって、お客様はホスピタリティを味わうことができます。
「そのスタッフがいるから来店する」ということも、店舗の付加価値になるのです。
「映える」メニューにする
さらに、「映える」メニューや提供方法も、付加価値になります。
「さわやか」の「げんこつハンバーグ」は、テーブル上に運ばれてきた鉄板の上で最後の調理が行われることが人気の理由のひとつです。
最近では、動画をSNSにアップする人が増加。
動きのある料理の提供方法はエンターテインメント性が高く、SNS世代の支持を得られます。
まとめ
値上げによる客離れを恐れ、値上げを行えない飲食店は多いもの。
しかし、正当性のある値上げには、お客様は寛大な気持ちで対応してくれるものです。
さらに、付加価値を感じられるような値上げを、お客様が待っている時代です。
単純な値上げはマイナス要素ですが、お客様の期待に応えられる付加価値を持った値上げは、ポジティブなものとして受け入れられることでしょう。
お客様の課題にお応えします
食のトレンドは常に大きく変化していて、次に来る流行を予測することは大変に難しくなっています。時代の波に乗って話題を集め繁盛する飲食店でいるためには、時代に即した迅速な変化を遂げていくことが必要になります。店舗の内装やシステムを変えることは負担が大きくなりますが、使用する食品容器を変更することで、迅速な対応が可能になります。
「食品容器をプラスチックからエコ容器に替えたい」「環境対応容器には替えたいけど、機能性は確保したい」など、環境対応と機能性の両立についてのご相談を多数頂いております。
チェーンストリーム株式会社では、バガス素材をベースに環境負荷の低い素材を選択したり、使用する量を少なくしたりと工夫をしながら、日々、製品開発及び営業提案を行っております。
現在SDGs・脱プラ対応素材の一つとして「バガス」が注目されています。バガスについて、何かご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。
関連記事
(参考資料)
業績情報 – 株主・投資家の皆様へ|株式会社壱番屋 (ichibanya.co.jp)
マクドナルド営業利益最高 1〜6月、値上げで採算改善 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2024年4月 (tdb.co.jp)
この記事を書いた人
チェーンストリーム株式会社 編集部ご覧いただいた担当者さまの新しい気づきや行動につなげられるような記事を執筆しています。編集部には、商品企画、マーケティング、EC事業部、CFP保持者などのメンバーも携わっています。